日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-7
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口頭発表
鰹だしを中心とした各種だしにおける官能評価用語の体系化
*有冨 菜穂子東 雅子岸 幹也加太 希哉國枝 里美
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抄録


【目的】
 鰹だしをはじめ、各種の魚を用いた「だし」は和食において欠かせない存在である。だしは非常に複雑な風味を持っており節の種類やだしのとり方により風味が違うことは周知であるが、だしの香味を網羅したような統一的な評価用語はない。そこで、本研究では鰹だしを中心とした各種だしにおける官能評価用語の体系化を実施した。
【方法】
 まず、花かつお、鰹荒節、鰹枯節、ムロあじ節、鯖節、宗田節、煮干し、G粉(鰹節整形時に出る削り粉)の8種類の節からとった“だし”を用い、専門パネル21名による自由記述式アンケートにより評価用語の収集を行った。次に、収集した用語についてだしの評価用語の整理を行った。だしの中に個々に確認することの出来る香味特性を表す用語について、パネリストの討議により評価用語を2つに階層化して定義づけした。第1層は一般的な用語とし、第2層はより分析的な用語または標準見本のある物質名とした。用語体系の各用語の関係を分かりやすく表すため、だしのフレーバーホイールを作成した。
【結果】
 収集した288の用語について上記方法にて整理を行い、第1層を12語、第2層を39語設定した。これらの用語について具体的なイメージを定義し標準見本を設定した。標準品を用いて用語の訓練を実施した専門パネルによりだしを評価することにより、だしの特性を正確に捉えることができる。

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© 2008日本調理科学会
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