日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-2
会議情報

ポスタ-セッション
ガス調理機器使用家庭と電磁(IH)調理機器使用家庭との食生活の比較
*磯部 由香平島 円河村 有加里越間 智子的田 美紗希中井 茂平
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録


【目的】
 近年、熱効率のよさ、安全性、光熱費の軽減のため、IH調理機器を使用する家庭が増加している。そこで、ガス調理機器とIH調理機器を使用する家庭における食生活および作られる料理の種類についての調査を行った。
【方法】
 三重県I市の家庭を対象に、2007年12月に質問紙調査を行った。400部を配布し、118部を回収、有効と認められた部数は117部であった。調査項目は食事環境や食事内容、調理機器の利点・不便な点などであった。
【結果】
 ガス調理機器とIH調理機器使用家庭の家族構成に差はなく約7割が未成年の子どものいる核家族であった。調理方法では、両者ともに「炒め物」を最も頻繁に行うと回答した家庭が多かったが、「煮物」を最も頻繁に行う割合はガス使用家庭の方が高く、「焼き物」を行う頻度はIH使用の方が高かった。味付けでは、「和食系」の頻度が高い割合はガス使用の方が高く、「洋食系」はIH使用の方が高かった。IHコンロ購入後に約25%の家庭で「揚げ物」、「煮物」を行う頻度が増えていた。これは調理変化として「煮物、焼き物、揚げ物のにおいが減った」ことと関連していると思われる。また、「中華系」の味付けをする割合が1割減っていた。これは不便な点として多くあげられた「鍋や調理性に制限がある」ことに起因すると思われる。使用できる鍋の制限の有無は、ガス使用の利点、IH使用の不便な点であり、「清掃性」はガス使用の不便な点、IH使用の利点であった。また、ガス使用は「炎が見えて火加減が調節しやすい」ことを利点と考え、IH使用は「加熱加減が調節しやすい」と利点とする人と「炎がないのでわかりにくい」と不便な点とする人に分かれていた。

著者関連情報
© 2008日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top