日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a3
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口頭発表
台湾産腐乳の遊離アミノ酸組成と微生物について
*石川 雅子川上 優子水野 時子林 志城藤本 健四郎山田 幸二角野 猛
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抄録

【目的】腐乳は塩漬けした豆腐に紅麹などの微生物を付着させて発酵した中国の調味料であり、中国料理の際の隠し味や万頭などの調味料として利用されている。今回、台湾各地で製造された腐乳について遊離アミノ酸組成、脂肪酸組成及び微生物などについて検討し、若干の知見を得たので報告する。
【方法】実験に用いた腐乳は2008年7月に台北市内などで購入した10検体である。遊離アミノ酸組成は高速アミノ酸分析計(日立製L-8800型)、脂肪酸組成はガスクロマトグラフィー(日立製246-30型)を用いてそれぞれ測定した。微生物検査は、生菌数、乳酸菌数など、さらに、水分活性、pHなどを測定した。
【結果】得られた結果は、以下の通りである。
1 遊離アミノ酸総量は平均2681mg/100gであった。主な、遊離アミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、アラニンであり、グルタミン酸とアスパラギン酸が多いタイプ、グルタミン酸とロイシンが多いタイプ及びロイシンとアラニンが多いタイプに分けられた。
2 主な脂肪酸はパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸であり、これらの3種で全体の89.2%を占めていた。
3 一般生菌数、乳酸菌数の対数平均値はそれぞれ、平均5.26/g 及び3.21 /gであった。大腸菌群および腸内細菌科の細菌はいずれの検体からも検出されなかった。また、水分活性およびpHは、平均0.870および6.19であった。
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© 2009日本調理科学会
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