日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-a3
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口頭発表
魚介エキスに含まれるビタミンB12の栄養学的評価
*桂(橘高) 博美川口 由佳理
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抄録

【目的】日本人のビタミンB12供給源としては魚介類が高い割合を占めており、中でも貝類や血合い肉を含む魚肉が主である。魚介エキスは、調味料などに利用されているが、ビタミンB12の供給源としての評価はなされていない。近年、食品に含まれているビタミンB12はその多くがタンパク質と結合しており、高齢者などの消化能力が低下した場合に、タンパク質結合型ビタミンB12吸収不全が報告されている。また、シアノ型のビタミンB12は他より機能が劣る可能性が考えられている1)。そこで、魚介エキスに含まれるビタミンB12のタンパク質結合型の割合およびシアノ型含有率を決定し、魚介エキスに含まれるビタミンB12の栄養学的評価を試みた。
【方法】魚介エキスとしてカツオエキスおよびカキエキスの2種を用いた。まず、タンパク質結合型の割合は、簡易なゲル濾過カラムであるPD-10を用いて、高分子画分と低分子画分それぞれのビタミンB12量についてビタミンB12要求菌(ATCC7830株)を用いた微生物学的定量法によって定量して決定した。さらにシアノ型の含有率を決定するため、同族体の同定を行った。同定は、TLC(シリカゲル)によって、上方配位子の異なる4種の標品のコバラミン(シアノ型、ヒドロキソ型、メチル型、アデノシル型)の移動度と比較して行った。また、移動層は2種用いた。
【結果】カツオエキスではタンパク質結合型が約30%、カキエキスでは40%であった。また、シアノ型含有率はカツオエキスでは約65%、カキエキスでは約55%であった。以上の結果から、吸収しやすいと考える遊離型はカツオエキスに多いが、機能が劣る可能性が考えられているシアノ型はカキエキスの方が少ないことが考えられた。
1)演者ら、日本ビタミン学会第61回大会発表(2009.5、京都)
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© 2009日本調理科学会
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