日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2E-p4
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口頭発表
新規調味料「くじら醤油」の消費者の評価と商業大量醸造時の抗酸化ORAC値の変化
*河村 幸恵原田 和樹小俣 文登前田 俊道長谷川 喜朗徳永 拓史藤川 綾可下田 真子伊達 梨絵林 恵理子野村 美沙紀玉井 健太土井 啓行小泉 武夫
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抄録

【目的】調査捕鯨で得られた赤肉を鋸で引いた際に出現した屑肉から、「くじら醤油」の試作品を作り出し、その抗酸化能について報告した1)。今回は、商品として醸造した場合の米国農務省が世界標準抗酸化能測定法として推奨するORAC値の経時的変化、更には、一般市民による試作品の官能評価の結果について報告する。
【方法】商品製造として0.5トンの仕込みからスタートして2か月後から、試料は1か月ごとにサンプリングを行った。醸造は醤油麹と塩だけを共存させ、室温で約半年行った。ORAC法の測定は、AAPH溶液からラジカルを発生させ、それによって分解される蛍光をベルトールド社製Mithras LB940プレートリーダを用いて測定し、既知の標準物質Troloxに対する相対値でORAC値を求めた。単位はµmol Trolox当量/100mlで表した。官能検査は、市立下関水族館「海響館」にて612名の入館者を対象に行い、4種類の魚醤の試味による嗜好順位法(最も好ましいものを4点、以下1点ずつ減じて行く)で判定した。
【結果】「くじら醤油」の発酵のスタート時のORAC値は計算上2183であったが、発酵2か月後には、8799を示し、火入れした試作品の7955の値と同程度の値となった。その後は、同じ値を推移したので、発酵2か月目で、既にORAC値は最大値に達したと思われ、他の魚醤の発酵パターンと異なる推移を示した。官能検査においては、順位の平均値を取り、高い評価の順が、くじら醤油(3.23)>ふく魚醤(2.62)>うに魚醤(2.36)>ナンプラー(1.79)であった。
1)原田和樹, 前田俊道, 河村幸恵, 小泉武夫: 日本生物工学会誌, 印刷中, (2009).
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© 2009日本調理科学会
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