抄録
【目的】パウンドケーキの主材料はバター・砂糖・卵・小麦粉であり、これらに様々な副材料を添加することにより、バリエーション豊富なケーキが出来上がる。材料や作り方が比較的シンプルなケーキであるため、主材料の特性が製品に大きく影響すると考えられる。そこで、このうちのバターと上白糖について、他の材料と代替する時にその種類や代替量が製品の品質にどのように影響を与えるかを検討した。
【方法】文献調査により得られた基本の材料・配合割合・作り方を基に予備実験を行い、改善を重ねて得た理想的な材料・配合割合を標準とした。本実験では、上白糖をそれぞれグラニュー糖・粉糖・ブラウンシュガー・はちみつに変え、バターをそれぞれサラダ油・太白胡麻油・ショートニングに変えてケーキを調製した。得られた製品の外観および内相を観察し、機器測定によるテクスチャーおよび色差と合わせて総合的に評価した。
【結果】グラニュー糖は上白糖に近い仕上がり状態であったが、ブラウンシュガーは外観と内相は共に標準に比べ、明度が下がり赤の度合いが強くなった。粉糖ではテクスチャー特性の硬さにおいて、いくらか差がみられた。はちみつは製品の外観の変化が大きかったため、上白糖の一部を代替配合(%)することにした。その割合をそれぞれ25、33、50および75%に変えて調製した結果、33%までは標準とあまり変わらない仕上がり状態になった。また、バターの代替のショートニングは風味が劣っていたものの、固型脂のためバターに近い製品が得られた。サラダ油・太白胡麻油は共に油っぽく、風味が劣るため、油の16~18%を水または豆乳に変えて調製したところ、油のみに比べて硬さや油のしつこさが改善された。