日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-49
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エチゼンクラゲの調理食品としての利用と抗酸化能測定
*永塚 規衣原田 和樹上野 俊士郎長尾 慶子
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抄録


【目的】捕獲されたエチゼンクラゲの有効利用が問題となっている。原田らは、エチゼンクラゲそのものに抗酸化能があり機能性食品として利用できることを、昨年度の本大会において報告した。我々はエチゼンクラゲを調理素材として活用する方策を探ることにし、今回はうどんに添加した場合の嗜好性並びに抗酸化性について検討した。
【方法】山形県鶴岡市沿岸で捕獲されたエチゼンクラゲを、凍結乾燥粉末にし、実験材料とした。塩5%添加うどん(対照試料)とクラゲ粉末5%および7.5%添加うどん試料を調製した。さらに、調理操作手順を変えたクラゲ粉末5%添加うどん試料を調製した。東京家政大学調理科学研究室員16名をパネルとして、つや、歯ごたえ、弾力、滑らかさ、魚臭さ、塩味等の各項目について7段階評点法による官能評価を実施した。次いで、上記試料うどんを凍結乾燥後粉末にし、水及びエタノールで抽出した水溶性部及び脂溶性部のペルオキシラジカル捕捉活性を、化学発光(ケミルミネッセンス)法により測定した。抗酸化能の評価には、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度のIC50値(%)を用いた。
【結果】官能評価でクラゲ粉末を5%添加したうどんが総合的に好まれた。クラゲ粉末添加うどんは添加量が増すとペルオキシラジカル捕捉活性が増大するが、うどんを調製する際、クラゲを粉末のまま添加した場合に対照である塩添加うどんよりもラジカル捕捉活性が低下する結果となった。そこで操作手順を変えて、クラゲを粉末の状態で加えるのでなく、水に0.5~72時間浸漬させた状態で添加したところ、浸漬時間が長いほどクラゲ添加うどんのペルオキシラジカル捕捉活性が増大することが判明した。

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