日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-53
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ポスタ-セッション
家庭用マナ板の衛生について
*中嶋 加代子岸本 律子
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キーワード: まな板, 消毒, 衛生
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抄録

【目的】食中毒の原因となる細菌は家庭内にも存在しており、台所における二次汚染の防止は食中毒予防のために重要である。調理器具とくにマナ板は、汚染経路になりやすく洗浄殺菌することが必要であるが、一般家庭ではマナ板の消毒があまり行われていない(予備調査:調査対象の65.2%は熱湯消毒を全然しない)。本研究では、日常的に家庭で使用されているマナ板の衛生状態を知り、洗浄および消毒の除菌効果について知見を得ることを目的とした。
【方法】マナ板の衛生状態を調べるため、衛生指標細菌である一般生菌数を測定した。測定時期は2008年5月である。検体は、栄養士養成課程の学生の自宅で日常使用されているマナ板、a:生肉・生鮮魚類の調理に使用した直後、流水のみで洗浄したもの、b:流水洗浄後に中性洗剤、たわし、40℃温湯で洗浄したもの、c:さらに熱湯消毒した(沸騰水をマナ板の全面に隙間なく3回かけた)ものである。細菌検査は拭き取り法で行い、37℃、24時間培養した。
【結果】流水洗浄段階のマナ板(a)では、一般生菌数がマナ板100cm2当たり平均19,000個であった。bでは、平均900個/100cm2に減少した。cでは平均15個/100cm2となった。以上により、生肉・生鮮魚類を切ったマナ板を流水洗浄した状態では一般生菌がかなり残存しているが、さらに洗剤を用いた洗浄・熱湯消毒を行うことにより除菌効果が得られることが分かった。この効果は、洗浄および消毒の方法によって差があることが示唆された。
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© 2009日本調理科学会
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