日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-28
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ポスターセッション
スクロース結晶の粉砕による性質の変化
*坂本 薫岸原 士郎
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抄録
目的】砂糖は、あらゆる料理に使用される重要な食品であり、現在の我々の生活に欠かせない食品の一つである。ザラメ糖、グラニュ糖、粉砂糖と結晶の大きさにより使い分けられているが、純度の高いものについては、スクロース結晶とみなすことができるため、一般的にはその性質に差があるとは考えられてはいない。粉砂糖については、市販品は固結防止のためデンプンが添加されているが、最近では家庭においてもミルなどの粉砕家電が普及していることから、グラニュ糖等を粉砕して粉砂糖として利用することも多い。今回は、粒度の異なるスクロース結晶および結晶の粉砕物の性質について差が認められるか否かの検討を行った。
方法】スクロース結晶の粉砕は、ボールミルおよびマグネット乳鉢を用いて行った。示差走査熱量分析(DSC分析)はパーキンエルマー社製Pyris1 DSCを用い、還元糖の測定はジニトロサルチル酸法(DNS法)を用いて行った。
結果および考察】粉砕により、DSC分析による吸熱曲線の波形に変化が見られることがわかった。その変化は、グラニュ糖の種類により異なったが、ピークは鋭くなり、高温側に移行する傾向があることがわかった。また、還元糖の測定結果より、粉砕により還元糖が生成している可能性が示唆された。これらの結果より、性質に差はないと考えられているスクロース結晶であるが、その粉砕の方法により加熱熔融特性に差が生じ、味や仕上がりが異なる可能性があると考えられた。
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© 2010日本調理科学会
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