抄録
瞬間的高圧による粉体化作用は、圧力媒体となる物質の密度変化面において生じるスポーリング破壊と呼ばれる破壊作用による。物質に対して、音速を超えた速度で高い圧力すなわち衝撃波を負荷すると、密度境界面において(1)音速を維持したまま通過する透過波と(2)音速以下の速度(膨張波)となった反射波とに分かれることで、密度境界面に負圧力(引っ張り力)による破壊作用を生じる。この高速破壊現象はスポーリング破壊と呼ばれる。スポーリング破壊は、密度変化が大きいほど強力に作用する。また、伝播速度が音速を超えるため、数μ秒程度の極めて短時間のうちに高圧力を作用させる。このような圧力を米にくわえることで、短時間に粉体化させ、米粉を製造することができる。瞬間的高圧処理による米粉と、気流粉砕などの従来技術による米粉との、走査型電子顕微鏡写真による形状、粒度分布、ならびに粘弾性を比較した結果について報告する。