日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-2
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ポスター発表
水稲糯米の品種特性が硬化性に与える影響の解明
*髙橋 徹佐々木 玲熊谷 昌則
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キーワード: 糯米, , レオロジー, 硬さ, 糊化
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抄録
【目的】糯米澱粉はアミロペクチンのみから構成され、アミロースをほとんど含まない。しかしながら、品種によっては調理・加工・摂食に影響を及ぼす硬さや粘り、コシなどが異なることも知られている。近年の米加工品への需要拡大において、品種の特徴を十分に捉えることが、商品開発の戦略上でも重要である。特に餅生地の硬さは、加工特性上重要視されている。そこで、糯米加工品の基本となる餅生地を少量の糯米での調製および評価方法を確立し、品種間の差異を明らかにすることを目的とした。
【方法】糯米少量での均質な餅生地を調製するための調製方法を検討した。洗米後浸漬した糯精米40gは餅搗き機を用いて蒸煮した。サンプル量が少ないことから、蒸煮中の乾燥を防ぐために蒸し工程の途中で散水を施した。蒸米を50℃に設定したファリノグラフに投入して混捏・撹拌によって餅生地を得た。これを成形容器に入れ、厚さ約8mmまで圧延して24時間冷蔵庫に保存した。餅生地の硬さは、直径2mmの金属製冶具を装着した万能試験機にて、圧縮および引張り速度2mm/s、圧縮ひずみ0.50での力学特性測定から得られた力-時間曲線の圧縮時のピークとした。糯米粉の糊化特性は、DSCおよびRVAにて測定した。
【結果】餅生地の力学特性測定から、「こがねもち」は硬く、「ヒヨクモチ」は軟らかい評価が得られ、硬化性ランク1)と相違しない結果が得られた。また、ファリノグラフによる混捏時の抵抗値が大きくなると、餅生地も硬くなりやすい傾向にあることがわかった。さらに、餅生地の硬さと糯米粉のDSC測定による糊化温度、RVA測定による粘度上昇温度および粘度ピーク温度との間には正の相関が見られた。1)石崎他 北陸作物学会報,31,16(1996)
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© 2012 日本調理科学会
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