日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-3
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ポスター発表
主材料調整による市販ゆでうどんの物性改良
*四宮 陽子夛名賀 友子
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抄録

【目的】うどんのおいしさは味や香りなども大切だが、歯ごたえやもちもち感などの食感の影響が大きい。うどんの主な材料は小麦粉、食塩、水とシンプルだが、これに品質向上のために配合される副材料や添加物、製造工程の工夫によって食感が変化する。副材料や添加物を変える場合は物性試験等を行いながら調整するが、主材料の変動はバランスが難しく一度固定するとあまり動かさない。今回はあるうどんメーカーの主力商品の基礎データを取るために、主材料を変化させて物性測定を行いゆでうどんのテクスチャー改良を試みた。
【方法】試料は対象商品(B)、塩水量と濃度の増加(B-1)、輸入小麦粉調整品使用(B-2)、栃木県産イワイノダイチ使用(B-3)、対象商品(C)、保存期間延長のため包装後蒸気殺菌(C-1)、他社のゆでうどん比較商品(A)、冷凍タイプ比較商品(D)である。試料は所定の方法でゆで、麺中心温度26℃と60℃、破断はクリープメーター(RE-33005㈱山電)、くさび型プランジャー、測定歪率98%、テクスチャーはクリープメーター(RE2-33005B㈱山電)、16mm円筒形プランジャー、測定歪率80%で測定した。官能検査は順位法を行った。
【結果】主材料を変えたBグループの破断解析では、破断応力と破断エネルギーの順位はB-1、B、B-2、B-3、破断歪率の試料間の差は小さかった。B-1は塩水濃度の上昇によるグルテン強化の効果があったと考えられる。C-1の破断解析は、26℃、60℃ともにCより全ての項目で有意に低下し、蒸気殺菌がゆで時間の増加と同様の効果をもらしたと考えられる。B-1とC-1を新商品の候補としてさらにテクスチャー解析と官能検査を行った。

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