日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-24
会議情報

ポスター発表
調理における用語・表現の研究
-野菜類・いも類・きのこ類の切り方について-
*福留 奈美香西 みどり
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】調理操作を表す用語・表現の中でも切り方を表す用語・表現は多種多様に存在し、調理初心者は食材や料理によって異なる幅・太さ・長さなどサイズの範囲がわかりにくい。本研究では野菜類・いも類・きのこ類の切り方に着目し、①切り方の用語・表現の食材別用法の整理、②解説書や料理書に見られるサイズ表現の調査、③用語・表現と実際のサイズを照合するための評価法の検討、を目的として調査実験を行った。
【方法】1999年以降に出版された切り方の解説書17冊に出現する切り方の用語・表現を食材別に調べた。また2009年度高校家庭科教科書20冊に出現する切り方の用語・表現をサイズに関する修飾表現も含めて抜き出し、用法を整理した。さらに、せん切りなどの線状、みじん切りなどの角状に切る切り方が解説書や料理書においてどのようなサイズ表現がなされているかを調べた。また1~5mm角のニンジンを模した合成樹脂のフードモデルを作成し、調理指導者を対象として用語・表現との対応評価実験を行った。
【結果】解説書に登場した切り方の用語・表現は200種以上あり、輪切り、せん切りなどの一般的な切り方、特定の食材との対応が強い飾り切り、フランス料理の切り方のカタカナ表記などが含まれた。家庭科教科書のレシピ表現では、長さや太さの数値的表現、形容詞・副詞による修飾語の有無など様々であった。線状・角状の切り方についてはサイズに幅があり、食材によっても違うため、切り方の解説書や料理書では厳密に特定できていないことがわかった。また切り方の用語・表現と実際のサイズを照合させる方法として様々な切り方のフードモデルをサンプルとして使用することは有効であることが示された。
著者関連情報
© 2012 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top