日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-33
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ポスター発表
真空調理の有効利用に向けて
~一般調理との比較・ホワイトシチューの場合~
*能井 さとみ佐藤 恵渡辺 いつみ藤本 真奈美鴫原 正世
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抄録

【目的】近年、新調理システムの導入が進み、栄養士養成校である本学でも授業に真空調理を取り入れ、活用方法の検討を重ね、煮物やコンポート、カスタードクリームなどについて一般調理との比較を行ってきた。そこでこれまでの取り組みを基に、災害時非常食としての利用も視野に入れ、真空調理のメリットを活かした有効利用に向け、ホワイトシチューを取り上げ、分量・工程を検討し、嗜好テストを行った。
【方法】1. 真空調理による具材の無水調理と加水調理、ルー調理(1)1袋の具材試料:肉のみ・野菜のみ・肉と野菜(2)加水の有無:無水・加水45ml(3)ルー試料:無塩バター、薄力粉、牛乳(325ml・1割減・2割減)、塩、白こしょう、ナツメグ2.真空調理と一般調理によるホワイトシチューの比較(1)調理条件:真空はスチームコンベクションオーブンで加熱、一般はIHコンロで加熱3.2点比較法による嗜好テスト(1)実施日:2011年11月29日(2)対象者:本学食物栄養科の協力学生100名(3)評価項目:見た目、食感、味、総合評価
【結果】具材の無水調理では、食材に含まれる水分により、中心まで十分に加熱され、煮崩れも見られなかった。真空の無水調理と一般調理の比較では、食感(ルーの柔らかさ・固さ、食材の柔らかさ・固さ)、味ともに有意差が認められなかった。食感の舌触りは5%、総合は1%有意水準で、見た目、総合評価においては、0.1%有意水準で一般調理に比べ真空調理の試料が好まれた。これらのことから、ホワイトシチューの真空による具材の無水調理と、ルー調理では一般と同等あるいはそれ以上と評価され、真空調理の有効利用に向け、活用が期待できると示唆された。

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© 2012 日本調理科学会
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