日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-37
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ポスター発表
こんにゃくの調製方法と気泡混入率
*加藤 静香平島 円高橋 亮磯部 由香西成 勝好
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抄録

【目的】こんにゃくは日本の伝統食品として煮物や汁物に使われている。こんにゃくの味付けにはこんにゃく中の気泡量が関係すると考えられるが,こんにゃくの調製方法と気泡の関係については不明な点が多い。そこで本研究では,こんにゃく粉水懸濁液調製時の撹拌時間およびその保存時間,こんにゃく粉濃度がこんにゃく粉水懸濁液の気泡混入率に及ぼす影響について検討した。
 【方法】こんにゃく粉には優良こんにゃく粉((株)丸山商店,水分量8.6%,コンニャクグルコマンナン含量86.4%)を使用した。こんにゃく粉濃度は0.5-4.5wt%とした。室温25℃で25℃のイオン交換水に目的の濃度となるこんにゃく粉を加えた。ハンドミキサーMK-H3((株)松下電器産業)で約950rpmにて0-60分撹拌した後,25℃保存したものを試料とした。定常ずり粘度測定(測定温度25℃)より試料の定常ずり粘度の撹拌時間依存性,保存時間依存性,こんにゃく粉濃度依存性について検討した。さらに,試料の比重測定を行い,こんにゃく粉水懸濁液の気泡混入率を求めた。
【結果】こんにゃく粉水懸濁液を2-60分撹拌し,試料調製開始90分後の試料の定常ずり粘度,比重には変化がなく,試料中の気泡量は一定だとわかった。こんにゃく粉水懸濁液を10分撹拌した試料の粘度は,こんにゃく粒子が膨潤するため保存時間が長くなるほど高くなり,試料調製開始70分後(保存時間60分)で最高値に達した後,一定となることがわかった。こんにゃく粉濃度を変化させて試料を調製すると,濃度が高くなるにつれて試料の粘度は高くなった。また,こんにゃく粉濃度が高くなるにつれて比重は低下する傾向が見られた。こんにゃく粉濃度が高くなると気泡混入率は高くなり,味のしみ込みやすいこんにゃくになると推察される。

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© 2012 日本調理科学会
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