日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-38
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ポスター発表
環境に配慮したカスタードプディング調理法の検討
津田 淑江*原 奈都子大家 千恵子
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抄録

[目的]本研究では、家庭において消費される調理エネルギーに焦点をあて、カスタードプディングを作成し、その調理法の違いによるCO2排出量を求めた。CO2排出量を数値によって明らかにすることにより環境負荷削減に向けた調理器具・容器を検討し、環境に配慮したプディング作りの提言を行うことを目的とした。
[方法]卵、砂糖、牛乳のカスタードプディング材料溶液をアルミ製φ7.5cm、陶器製φ7.0cmの容器に入れ、蒸し器(ガス)、圧力鍋(ガス)、南部鉄製鍋(ガス)、電気オーブンの4通りを設定し、蒸し加熱の比較を行った。卵液は25℃、蒸し器、圧力鍋、南部鉄製鍋で用いる水の水温は20℃に設定した。火加減は、強火(なべ底全体に炎がかかっている状態)、中火(なべ底に炎が少しかかった状態)、弱火(なべ底に炎がかかっていない状態)とし、ガス消費量測定にはシナガワ乾式ガスメータDC-2型を使用しCO2排出量を算出した。その際のCO2排出係数は、環境省温室効果ガス排出量算定に関する検討結果(平成14年8月)を基に、都市ガス2.15 kg- CO2/ m3を用いた。出来上がりは山電製レオナーRE-3305により物性測定を行った。またKramerの検定表(α=5%)を用い官能評価を行った。
[結果]調理方法でCO2排出量の少なかったのは、南部鉄製鍋、圧力鍋を使用した場合であり、蒸器、オーブンと比較しCO2排出量削減となった。また同じ調理方法では、アルミ製容器で蒸した場合は磁器製容器と比較して破断荷重は大きくなり、硬さを増した。官能検査の結果、外観では圧力鍋製のプディングが好まれ、なめらかさ・味・甘さ・総合評価の4項目で、オーブン製が好まれた。

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