日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-p2
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口頭発表
吸物における各種魚節だしの減塩効果
*藤原 佳史大島 裕子朝田 仁
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抄録
【目的】 おいしさを損なわずに減塩する調理手法として、鰹節のだしを効かせて減塩することが既に数多く報告されている。しかしながら、それらの報告は鰹荒節のだしに関するものが多く、その他の日本料理に用いられる各種の魚節だしに関する報告は少ない。そこで本研究では、鰹荒節だしを含む4種類の魚節だしを用い、だしの種類による減塩効果の違いを調べた。
【方法】 だしは4種類の魚節(鰹荒節、鰹枯節、宗田鰹節、さば節)から熱水抽出した。それぞれの3.0%だしに、濃口醤油と食塩を加えて塩分濃度0.8%の吸物(液温は常温)を調製し、塩味の強さをτ尺度により評価した。また、1.0%だしを用いた塩分濃度0.9%の吸物と3.0%だしを用いた塩分濃度0.8%の吸物(液温は約60℃)を調製し、塩味の強さと味の好ましさを2点識別法および2点嗜好法により評価した。パネルは社内味覚試験に合格した20~40代の男女20名以上とした。
【結果】 鰹荒節だしには、塩味増強効果が認められた。その他の魚節だしも塩味を増強する傾向があった。さらに、すべての魚節だしで、だし濃度を高くすると0.1%の塩分濃度差を識別不能にする効果が認められた。嗜好性評価においては、だし濃度の高い吸物が好ましいと評価される傾向があった。また、供試魚節だしの中では、鰹荒節だしが減塩に最も有効であることがわかった。魚節だしの減塩効果は、塩味増強効果だけでなく、嗜好性の向上や喫食時の品温など、複数の要因によりもたらされることが示唆された。
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© 2012 日本調理科学会
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