日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-p3
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口頭発表
ローリエおよびイタリアンパセリ(茎)の香気成分がスープストックの風味に与える影響
*佐藤 幸子田口 裕基鏡田 早紀数野 千恵子
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抄録

【目的】ローリエの葉、およびイタリアンパセリの茎は古くから香味野菜としてスープストックに用いられている。これらを用いた場合、スープストックに香気成分がどのように関与するかを検討した。また官能評価を行ったので、併せて報告する。
【方法】水1200mLに牛すね肉300g(3cm角切り)を入れ、電磁調理器(600W)で沸騰させた後、灰汁を除去したのち、ローリエ約0.1gまたはイタリアンパセリの茎3gをそれぞれ添加した。その後、弱火(400W)にして2時間または30分間加熱したものをスープストックとした。また、対象として同様に水および肉を処理してスープストックを調製した。香気成分は、GC-MSおよびGC-O分析を行った。また、それぞれのスープストックについて、評点法により5段階の評価尺度を用い、香り、風味、味、総合評価について官能評価を行った。
【結果】GC-MS分析およびGC-O分析の結果、ローリエを加えたスープストックからはα-テルピニルアセテート(ハッカ様)および肉由来のオクタナールが検出された。イタリアンパセリを加えたスープストックからは1,3,8-メンタトリエン(ハッカ様)およびオクタナールが検出された。対象としたスープストックからほぼ同程度のオクタナールが検出された。官能評価の結果、以上より、ローリエを添加したスープストックは、香りや肉臭(食前後)、後味についてそれぞれ有意差が認められ、脂肪臭は軽減された。しかし、イタリアンパセリの茎では灰汁を除去した後の加熱時間が2時間では有意差は認められなかったが、加熱時間が30分間では「風味が良い」の項目に有意差が認められた。ローリエでは灰汁を除去した後の加熱時間を2時間、イタリアンパセリの茎では、加熱時間を約30分間にすると、賦香作用が期待できることがわかった。

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