日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-a5
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口頭発表
米粉ケーキに及ぼすもち米粉添加のテクスチャーの影響
*土屋 京子早川 佳奈子成田 亮子峯木 眞知子
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抄録

[目的] 近年環境及び資源の利用に伴い、米粉を利用した加工品が開発されている。日本人には身近な米粉製品には、独特の匂いや老化が早いこと、また、小麦粉製品と比較すると、膨化率の低下が見られる等の問題点がある。一般に団子調理では、テクスチャー改良や老化抑制の目的でもち米粉を混合していることに着眼し、もち米粉を添加した米粉ケーキを調製し、その影響について検討する。[方法] 粒度分布のわかっているうるち米粉と粒度の異なるもち米粉(粗・微)を用い、オールインミックス法により、米粉ケーキを調製した。ケーキの配合は、米粉(群馬製粉)100g、鶏卵100g、上白糖(三井製糖)100g、マーガリン(不二製油)100gで調製し、160℃、28分で焼成した。もち米粉の添加量は0,10,20%とし、保存条件は1,7日間とした。焼成した米粉ケーキについて、重量・体積を計測して比体積を求め、色度やテクスチャーを測定し、官能評価を行った。 [結果] もち米粉の添加は、含有量・粒度の差異にかかわらず、ケーキの比体積に影響はなかった。ケーキの色度では、もち米粉の添加量に伴い、L*値は低下し、a*値は赤味が増した。粒度の差異をみると、10%添加試料では色の変化は見られなかったが、20%添加では粗粒の方がa*値は高い傾向を示した。もち米粉を添加した試料では、凝集性及び付着性は高くなる傾向を示した。粗粒のもち米粉添加試料では20%試料が10%より硬さ応力は高い傾向を示した。粒度の差異によるテクスチャー特性を比較すると、凝集性は粗粒の試料が高い傾向を示した。7日間保存した試料はもち米粉の添加量にかかわらず、硬さ応力及び凝集性は低下の傾向を、もろさ応力は高くなる傾向を示した。

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