日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-20
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ポスター発表(1日目)
昆布の利用状況における3地域間比較
菅野 友美大仲 蓮奈*守田 律子
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抄録

【目的】昆布は北海道の沿岸に生息しており、昆布の種類によって生産地が異なる。国内の約95%の昆布が北海道で生産されているが、消費量が最も多いのは富山県であり、昆布を使った料理が郷土料理となっている。一方、江戸時代に昆布を中国へと伝え、交易中継点となった沖縄県では、現在でも日常的に昆布料理が作られ、10年前までは沖縄県が昆布の消費量が全国1位であった。そこで、北海道、富山県、沖縄県の3地域における昆布の利用状況を調査し、地域による違いについて明らかにすることを目的とした。【方法】調査地域は沖縄県、富山県、北海道の3地域である。調査対象は各地域に在住の大学生約80名(総計253名)とした。調査時期は平成23年10月に昆布の利用状況についてのアンケート用紙を配布し、11月に回収した。統計解析は3地域についてt検定により有意差検定を行った。【結果】だしとして昆布を利用している地域は北海道と富山県が多く、沖縄県は少なかった。昆布を摂取する頻度は富山県が一番多く、北海道、沖縄県の順であった。富山県は使っている昆布の種類も多かった。昆布を利用する頻度の多かった料理法は「だし」、「煮る」、「汁物」の順であった。また、よく食べる昆布料理は地域によって特徴がみられ、北海道では「昆布巻き」、富山県では「とろろおにぎり」「昆布〆」、沖縄県では「クーブイリチー」であった。

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