日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-30
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ポスター発表(1日目)
エコクッキングが米飯の食味に及ぼす影響
*御手洗 早也伽楊 萍三成 由美徳井 教孝
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抄録
【目的】CO2排出量の増加は、地球環境問題として注目されているが、日本は環境問題に後ろ向きな姿勢である。学校本研究は、三成らが報告した家庭料理の出現頻度が高く、食物繊維寄与率が最も高い米飯のエコクッキングを目指して、洗米後、加熱特性の異なる炊飯方法について検討し、米飯の食味に及ぼす影響について比較したので報告する。【方法】米3カップを1Lの水で3回に分けて洗米した。加水量、浸漬、加熱量を同一の条件にして、ガスカロリー鍋では強火5(4.2kw)で沸騰まで3.5分、弱火1(0.5kw)で12分加熱し、蒸らし時間は15分とした。 IHカロリー鍋では強火8(2.5kw)で2.6分、弱火1(235w)で12分加熱し、蒸らし時間は15分とした。土鍋では、強火4(3.1kw)で10.6分加熱後、消火し、蒸らし時間を22分とした。 CO2排出量の算定では、都市ガスのCO2排出係数は2.22kg -CO2/m3とし、電気のCO2排出係数は0.385kg -CO2/m3とした。女子学生20名に嗜好調査を実施し、順位法、5点評点法により評価し、ケンドールの一致性及びt検定を行った。【結果】CO2排出量はガスカロリー鍋が0.067±0.004 kg -CO2、IHカロリー鍋が0.071±0.004kg-CO2、土鍋が0.103±0.006kg-CO2であり、それぞれ2群間で有意差が認められ、ガスカロリー鍋が最も少ない値であった。嗜好調査の順位法では3試料間に有意差は認められなかった。5点評点法では総合評価でのみ、ガスカロリー鍋が有意に好まれる結果を得た。【考察】ガスカロリー鍋が最もCO2排出量が少ない炊き方であり、嗜好調査の総合評価で好まれることが示唆された。本研究により、米飯のエコな炊飯方法をイラスト化することで、地球環境に配慮した食育媒体を作成し、子どもたちの食育に導入したいと考えている。
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© 2013 日本調理科学会
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