日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-6
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ポスター発表(1日目)
調理技術試験が短期大学生に及ぼす影響
*樋口 千鶴根津 美智子依田 萬代
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抄録
調理技術試験が短期大学生に及ぼす影響○樋口千鶴1),根津美智子1),依田萬代1) 【目的】調理技術の向上を目的としたきゅうりの小口切り、せん切りの技術試験を1年前期に行っている。その試みについては先の調査により目的の理解や技術の向上などに相関がみられた。しかし、2年次に行われる学外実習先での調理技術の評価は全体的に良いとはいえなかった。そこで、入学生を対象に卒業まで技術試験を随時行い、技術試験が技術と意識の向上に効果を与えることができたのか経時的変化をみたので報告する。【方法】きゅうりを用いた小口切りとせん切りの技術試験を1年前後期、2年前後期の2年間に渡って行い合格率などを集計した。併せて意識調査を実施した。【結果】小口切り、せん切りとも2年間で技術の向上がみられた。1年前期は包丁に慣れ正確な切り方の習得を、後期では手早さなどの習得を判定したが、前期で合格した学生が後期になると技術の低下がみられた。2年前期では合格に満たなかった学生について補講を行ったが、学外実習での調理技術の評価は低い結果となった。しかし、技術の未熟さを再認識した学生は後期での習得率が2倍以上に向上し、特に栄養士内定の学生にその傾向がみられた。意識調査では1年後期での技術の低下に危機感を持った学生は82%と多かったが、2年前期での習得率の伸びは低いことから、授業や家庭内での調理時間の減少が影響したと考える。後期になると技術習得の必要性を理解し、上達したと感じた学生が90%と多く、実際に習得率も向上しているので技術試験の意義はあったと考えられる。以上のことから学生のさらなる技術向上のために教員は常に栄養士資格を念頭においた意識づけと家庭で調理の機会が得られる課題や学生が実践できる場の提供を随時行っていく必要性を感じた。
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© 2013 日本調理科学会
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