日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a4
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口頭ー発表
異なる調理法の違いが調理品の嗜好性と機能性に及ぼす影響
森山 三千江*山本 淳子田中 義人高倍 昭洋
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キーワード: 新調理法, 嗜好性, 機能性
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抄録

【目的】新調理法は、機能性成分の損失が少なく、より効率的に栄養を摂取することができるとされている。しかし、従来の調理操作と異なるため、仕上がりは見た目、味、食感、香りの面で差が生じ、嗜好的に好まれるとは限らない。そこで、新調理法と従来の調理法を用いた調理作業を行い、物理的特性および機能性成分がどの様に変化するのか追跡するとともに嗜好的に好まれるのか官能検査を行い、今後、大量調理現場で普及していくかどうか検討することを目的とした。
【方法】アスパラガスとジャガイモを試料として、茹で加熱、蒸し加熱(スチコン)、真空調理を用いて調理を行った。物理的特性として色調、破断応力および歪み率を測定し、機能性成分としてビタミンC(VC)およびクロロフィル量、ポリフェノール量、抗酸化活性を測定した。官能評価は、大学生60名をパネラーとし「見た目」、「香り」、「食感」、「味」、「総合」の5項目について5点評点法を用いて行った。また、イカ、ホタテを試料として用い、旨味成分としてベタイン量をTOF-MASにより測定した。
【結果】アスパラガスでは、VCおよびクロロフィル量は調理操作による差はあまりみられなかった。ジャガイモでは、VC量、ポリフェノール量、DPPHラジカル捕捉活性は、スチコン使用の方が高く、破断応力は真空調理の方が高かった。色調はジャガイモの短時間加熱ではL*値、a*値ともに茹で加熱の方が高く、長時間で逆転した。官能評価は、アスパラガス、ジャガイモとも短時間加熱では茹で加熱が、長時間加熱は真空調理による調理品がいくつかの項目で好まれた。又、イカ、ホタテの異なる加熱操作による調理品のベタイン量は、茹で加熱に比べてスチコン調理が全般的に高かった。

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