日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a6
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口頭ー発表
調理学実験・実習への電子レンジ利用の試み
*肥後 温子
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抄録
【目的】学生に電子レンジの加熱特性、マイクロ波(Mw)加熱法と熱伝導加熱法との違いを理解してもらうために調理学実験にMw加熱法の基礎加熱特性、基礎調理性能を調べる実験を導入し、またMw加熱法を有効活用してもらうために調理学実習の部分調理、調理、デザート作りに電子レンジを利用する試みを行ってきた。学生の関心は高く、学生の実験結果を集計したところ貴重なデータが得られたので報告する。 【方法】基礎加熱特性:1)水を置く位置を変えてMw加熱法の昇温速度を比べ、2) じゃがいもをMw、オーブン、茹で加熱して昇温速度と昇温部位を比べた。基礎調理性能:3) カップケーキ(IECテスト生地)をMw加熱、オーブン加熱して膨化率、外観、味、食感を比べ、4) 玉ねぎをMw加熱、フライパン加熱して甘み、旨味、嗜好を比べ、5) じゃがいも餅、大根餅をMw加熱、フライパン加熱して食感、嗜好を比べた。実習への利用:Mw加熱時の留意点を伝えた上で、6)長ねぎ、さといもの下茹で、7)レアチーズケーキ作り、8)中華おこわ作りの実習を行った。【結果】基礎加熱特性: 1)2)3種の異なる機種(26台)で昇温速度の違いを調べた結果、同じ機種でも温度差があり、じゃがいもの昇温部位にも電子レンジの個体差が表れた。基礎調理性能:3)カップケーキの膨化率は、Mw加熱4.1-4.4倍、オーブン加熱3.2-3.4倍でMw加熱の方が高く、4)Mw加熱した玉ねぎは有意に甘く、5)Mw加熱した大根餅はもちもち感が増して有意に好まれた。実習への利用:6)7)8)時短効果があるだけでなくMw加熱に向くもの、利用上のヒントになるものを利用例として選んだため、いずれも好評であった。
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© 2014 日本調理科学会
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