日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2B-a6
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口頭ー発表
茨城県石岡市周辺の特徴的な食材と食事について
*荒田  玲子渡辺 敦子
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キーワード: 食生活, 茨城県, 行事食
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抄録

【目的】日本調理科学会・平成24~25年度特別研究における聞き書き調査の中で、茨城県石岡市とその周辺地域における昭和20~30年代の食生活の様子、その地域で作られた食材、当時の物流の中で入手可能な食材による料理に注目して、石岡地域の食生活の特徴【目的】平成24~25年度日本調理科学会特別研究における聞き書き調査の中で、茨城県石岡市とその周辺地域における昭和20~30年代の食生活の様子、その地域で作られた食材、当時の物流の中で入手可能な食材による料理に注目して、石岡地域の食生活の特徴を知ることを目的とする。【方法】旧石岡市と八郷地区の食生活改善普及員を対象とし、複数回の直接面談法により調査を行う。調査の前に予め、「当時の食生活の様子」、「次世代に伝えたい家庭料理と地域を代表する行事食・日常食」、「地域の行事食とその料理にまつわる思い出や蘊蓄」についてのアンケートを自由記述形式にて行い、回答内容に従って面談する方法をとった。調査者は、石岡市内に35年以上居住する、59~75歳の女性(食生活改善普及員石岡地区役員)9名とした。【結果】特徴的食材・料理としては、貝地の高菜栽培と高菜漬、地域の店で現在も入手できる海藻用羹を使用した「海藻羊羹」、正月などハレの日に作られる「矢羽の羊羹」、「ばらっぱもち」、「たがねもち」などの餅類があげられた。栃木や茨城県西部の郷土食「すみつかれ」と同名の「酢みつかれ」は、鮭頭は入らないが、大豆や石岡産の落花生が入り、大根は鬼おろしでおろして作られる酢の物であった。正月の「昆布巻き」は、霞ヶ浦に近いこともあり、鮒やワカサギなどの淡水魚を昆布で巻いて作られていた。山間の八郷地区と平野の広がる石岡地区、近くに河川や霞ヶ浦を臨み、山や川や大地の恵みを利用した食生活が営まれていたことがわかった。。

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