日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p4
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口頭ー発表
偏食行動とSOC(Sense of coherence:首尾一貫感覚)との関連
*加藤 佳子程 文輝岩永 誠
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キーワード: 偏食, 首尾一貫感覚, 健康
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抄録
【目的】SOC(Sense of coherence:首尾一貫感覚)は,ストレスフルな環境下においても健康を維持することのできる性格特性である。これまでの研究から,SOCは食習慣を含めた生活習慣とも関連があることが報告されている。本研究では,偏食行動の機序の一端を明らかにすることを目的として,偏食行動とSOCとの関係について検討することとした。 【方法】大学生164名(男性94名,女性70名)平均年齢19.4±1.2歳を対象に偏食行動,SOC,主観的健康感,生活習慣,ソーシャルサポートに関する質問紙調査を行った。 【結果と考察】SOCは主観的健康感,生活習慣,重要な他者および家族からのソーシャルサポートと正の関連があり,先行研究と一致した傾向が確認された。次に,偏食行動との関連について検討した。はじめに,偏食行動に関する尺度について検討したところ,「苦手な食べ物の回避」,「手軽な食べ物の摂取」,「多様な食べ物の摂取」,「好きな食べ物への偏った摂取」の4つの因子において,一定の妥当性と信頼性が確認された。主観的健康感は,偏食行動のうち「好きな食べ物への偏った摂取」との間に負の相関が見られた。そして,SOCは偏食行動のうち「手軽な食べ物の摂取」および「好きな食べ物への偏った摂取」との間に負の相関関係が確認された。つまり,SOCは,好きなものばかり食べる偏った食行動の制御因子として機能し主観的健康感と関連している可能性が示唆された。 【結論】偏食行動を検討する上では,SOCといった個人内要因も考慮する必要性があることが見出された。
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© 2014 日本調理科学会
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