日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-25
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ポスタ―発表
イチジクの熟度による加工適性
*小河 拓也
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キーワード: イチジク, 熟度, 加工適性
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抄録

【目的】イチジクは果実が傷つきやすく変形しやすいことから、一定量の規格外品が発生し生産上の問題となっている。この規格外品を加工食品等に利用することができれば、農家の収入増につながるが、イチジクは貯蔵性が極めて低く、また成熟につれ軟化が進み加工しにくい。通常の果実熟度よりやや早期に収穫することにより加工が容易になり、また貯蔵性も高くなる可能性があることから果実熟度による加工適性を調査した。【材料および方法】2014年9月にイチジク(品種:桝井ドーフィン)成木から兵庫県イチジク用カラーチャートを用いて未熟~過熟まで熟度を5段階に分けて収穫した。さらに通常品と規格外品を選別し、それぞれ外観・水分・可溶性全糖・滴定酸を測定した。また、熟度別に5℃で保存し、10日間外観を調査した。乾燥果実は熟度別に果実中央部を5mm厚に切り40℃で減圧乾燥後、色素を抽出し色素量を測定した。また、熟度別に官能評価を調査した。【結果】果実は熟度が進むにつれ全糖含有率が高く、反対に滴定酸度は低くなった。通常品と規格外品の果実間には成分の差がみられなかった。5℃保存において過熟果実は2日保存が可能で未熟果実では10日以上保存可能であった。規格外品は通常品に比べ保存期間が短い傾向がみられた。乾燥果実は果皮付きの場合、熟度が進むほど色素量が多くなったが、果皮を除去した場合大きな差はみられなかった。また、未熟果実では官能評価がやや劣ったが他は差がみられなかった。

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