日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-24
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ポスタ―発表
ブレッドフルーツ果実の粉末を用いたポン・デ・ケージョの調製と品質
*鈴野 弘子秋山 聡子池田 昌代石田 裕
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抄録

【目的】ブレッドフルーツ(BF)は、ポリネシア原産のクワ科の常緑高木である。この果実は黄褐色で直径10~30cm、枝先に2~3個ずつ着生し、成木から年間50~200個収穫できる。ジャマイカなどの国では、蒸し焼きや薄切りにして焼いて食べられているが、大量に収穫できるためその大半を廃棄しているのが現状である。そこで、BFの利用性を高めることを目的に、BF果実を粉末化して成分を明らかにし、さらにポン・デ・ケージョを調製し、その品質を検討した。
【方法】BF粉末の調製:果実の皮と種を除き、凍結乾燥後粉砕し、ふるい(500メッシュ)を通した。成分分析:日本食品標準成分表の方法に従って、一般成分およびNa、K、Ca、Mg、Fe、Zn、Cu、Mn、P、ビタミンB1、ビタミンB2を測定した。ポン・デ・ケージョの調製と測定:BF粉末を試料とし、ポン・デ・ケージョを調製した。タピオカ粉100%添加をコントロールとし、タピオカ粉の100%、50%、25%をBF粉末に置換した。比容積、破断強度、テクスチャーの測定を行った。また、分析型、嗜好型官能評価を行った。
【結果】BF粉末100g中、水分は9.8g、たんぱく質1.6g、脂質1.9g、炭水化物83.7g、灰分3.3gであった。無機質はKが最も多く1142㎎/100gであり、ビタミンB1は0.05㎎/100g、ビタミンB2は0.36㎎/100gであった。ポン・デ・ケージョは、BF粉末を置換するとコントロールに比べ、比容積が低下した。置換率が高くなると、破断強度測定では破断点が明確になり、テクスチャー測定では硬さが大となり、凝集性が小さくなった。付着性は50%置換が最も大きかった。嗜好型官能評価では、25%置換は、総合評価においてコントロールに比べ有意に低かったが、香り、味の項目では有意差は認められず、BFが持つ独特な香り、味は25%程度の添加では影響を及ぼさなかった。

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