日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-29
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ポスタ―発表
ハーブビネガーが加減酢の食味に与える影響
*佐藤 幸子窪田 彩香桑野 恵理子
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抄録

【目的】前報告にて、ハーブビネガーを調製し、その匂いの変化について検討した結果、ディルビネガーは調製3日間、ローズマリービネガーは調製21日の匂いが嗜好的に好まれる結果を報告した。本研究は、調製ハーブビネガーを調味料として加減酢を調合し、ハーブの香気成分が食味にどのような影響をもたらすのかについて検討した。
【方法】ハーブ類はヱスビー食品㈱から提供いただき、ディルとローズマリー、バジルの3種類のハーブビネガーを調製した。これらのハーブビネガーを使用して薄口しょうゆを加え、加減酢を調合した。香気成分は、モノリシック素材収着抽出(MMSE法)により香気捕集を行いGC/O及びTD-GC/MS分析を行った。また、加減酢をジュレに調製し、ホタテ貝柱とモッツァレラチーズを組み合わせて、酸味・塩味・香り・風味・美味しさについて官能評価を行った。統計解析はIBM SPSS Statistics Version21を用いた。
【結果】GC/MS分析の結果、調合した加減酢の香気成分構成割合は、ディルビネガーを調合した場合はディルの匂い(dill ether)4.2%、白ワインビネガーの香り約95%を示し、ローズマリービネガーの場合はローズマリー(limonene・linalool・borneol)の香り約30%、ビネガーの香り約70%を示し、バジルビネガーの場合はバジル(linalool・eugenol・eucalyptol)の香り約80%、ビネガーの香り約20%を示した。官能評価の結果、ホタテ貝柱およびモッツァレラチーズと加減酢の組み合わせの中で、バジルビネガーを調合した加減酢の場合が「香り」・「風味」・「美味しさ」において最も嗜好性が高かく、多重比較(TukeyのHSD法)結果、バジルビネガーの平均値が高く、基本ビネガーの間に5%水準で有意差が見られ、バジルビネガーを調合した加減酢が最も高い評価を得た。

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