日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-56
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ポスタ―発表
昭和30~40年代茨城県水戸地域の食生活研究
*石島 恵美子若井田 萌荒田 玲子渡辺 敦子
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抄録

【目的】平成26年度日本調理科学会特別研究における聞き書き調査の中で,茨城県水戸市とその周辺地域における昭和30~40年代の食生活の様子を知ることを目的とする。さらに,地域の行事食・日常食の若者の認知度を明らかにする。
【方法】方法は予め質問紙調査を自由記述形式にて行い,回答内容に従って面談する方法をとった。調査対象者は,水戸市,茨城町にそれぞれ35年以上居住する,60~64歳の女性2名とした。さらに,水戸市,茨城町に在住する,50~78歳の男女10名に前述の調査結果を基礎資料に,その一般性を検討するために,質問紙調査を行った。また,茨城県に15年以上在住する大学生69名を対象に,若者の郷土料理の認知度を検討するために質問紙調査を行った。
【結果】昭和30~40年代の食生活の様子は,収穫した米,麦,野菜などをよく食べていた。蛋白質源は,もっぱら大豆で,自家製の醤油,味噌,納豆やそぼろ納豆をよく食べた。肉類は年に1~2回で,採卵用の老鶏をつぶして食べていた。鶏卵は売り物で自家用に食べるときは3人で1つの卵を食べるくらい貴重であった。朝食は,麦ご飯と納豆,季節の野菜の味噌汁,漬け物。昼食は,朝炊いた麦ご飯,味噌汁,漬け物,なすのしんやき。夕飯は,炊きたての麦ご飯とおへしょ(塩味の多い味噌),時々煮魚,漬け物,味噌汁。地域を代表する行事食としては,正月や冠婚葬祭の時に食した,木綿豆腐を熱湯でゆで,藁づとに詰めて絞り,醤油たれで煮る「つと豆腐」がある。また,子安講の時の持ち寄り料理として,「のっぺ」や「煮あえ」などがある。若者の認知度は,つと豆腐1.4%,煮あえ2.9%,のっぺ1.6%であった。

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