日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-68
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ポスタ―発表
マテ茶の抗酸化活性について
*片山 佳子上野 慎太郎
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抄録

【目的】マテ茶は南米のイグアスの滝周辺を原産とするモチノキ科の植物「イェルバ・マテ」の葉や枝を茶葉に加工し水またはお湯で抽出した飲料である。マテ茶はミネラル、ビタミン、ポリフェノールそして食物繊維を豊富に含むため「飲むサラダ」と言われている。その機能性は多岐に渡り、抗酸化、抗肥満作用がある。また鉄と化合し腸内吸収を妨げるタンニンやカフェインのような刺激性のアルカロイドが少ないのもマテ茶の特徴の一つである。南米人の年間食肉消費量は多く、日本人に比べ3~5倍の食肉を摂取しているにも関わらず体の抗酸化が原因で起こる癌などは日本人の約半分以下である。これは南米人がマテ茶を多く摂取しているためではないかと考えられている。本研究ではマテ茶のポリフェノールと鉄の定量を行うとともに抗酸化活性測定を行い、緑茶や烏龍茶と比較検討することを目的とした。
 【方法】茶葉10gを80℃、20℃の水で10分間抽出し、試料溶液とした。鉄分量の測定は1.10-フェナントロリン法にて、ポリフェノール量の測定は、Folin-Denis法にて行った。抗酸化活性はラジカル消去能をDPPH法で測定し、DPPHラジカル消去活性はTrolox相当量として算出した。
 【結果】鉄分量は、グリーンマテ茶が最も高い結果となった。ポリフェノール量および抗酸化活性においてもマテ茶が緑茶や烏龍茶よりも高い数値を示した。そして、抽出温度が高いほどポリフェノール量や抗酸化活性は高い値を示した。これは水溶性の抗酸化物質であるポリフェノールが多く溶出されたためと考えられた。またポリフェノール量が多いほど高い抗酸化活性を示したことから両者には相関性があり(R=0.995)、マテ茶の抗酸化活性はポリフェノールが主体であると考えられた。このことから、マテ茶は緑茶や烏龍茶よりも体の酸化を防ぐために有効な飲料であることが示唆された。

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