日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2B-a6
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口頭発表
大学および専門学校生の「切り方」の知識と「切る」操作の自信度におよぼす要因
*平島 円堀 光代磯部 由香長野 宏子
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抄録



【目的】調理操作としての「切る」操作は,調理技術に自信を持つために重要な操作と考えられる。昨年度はアンケート結果から難易度により「切り方」を区分し,学生の専攻が「切り方」の知識と自信度に影響を及ぼすことを報告した。今回は,性別や調理頻度などの要因が学生の「切る」調理操作の知識や自信度の違いに及ぼす影響について検討した。

【方法】2010年~2013年に大学・短大・専門学校に入学した学生1,149名に対し,20種類の「切り方」の知識とその自信度についてアンケート調査した。それぞれの項目について「できる」「ほぼできる」「少しできる」「たぶんできる」「できない」「知らない」から選択回答させた。性別,居住形態,高校の学科,調理頻度,調理の好き嫌い,得意料理の有無などの項目により「切り方」の知識や自信度の違いについて分析した。各要因による差はχ2検定を用いて検討した。

【結果】女子学生は男子学生よりも「切り方」の知識と自信度が高かった。また,高校での家庭科の単位数の多い専門科出身者は普通科出身者よりも,難易度の高い「切り方」についての知識と自信度が高かった。さらに,調理頻度の高い学生は低い学生よりも「切り方」の知識と自信度は高いとわかった。居住形態別に調理頻度を比較すると,下宿生は自宅生よりも調理頻度が高かった。しかし,学生の「切り方」の知識や自信度に居住形態による差はなかった。一方,調理が好きな学生は無関心な学生よりも「切り方」の知識と自信度が顕著に高かった。また,得意料理を持つ学生は持たない学生よりも知識と自信度が高かった,これより,調理の知識と自信度を高めるためには調理経験と調理への興味・関心が必要だと考えられる。

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