日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2C-p4
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口頭発表
グルテンフリー米粉パンの製パン性に及ぼす増粘多糖類の影響
*臼井 桃美辻 美智子藤井 恵子
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抄録
【目的】アレルギー対応と食料自給率向上という背景から米粉を利用した食品が市場に出回るようになったが、米粉で生産された食品は、価格、保存性が普及の障壁とされている。グルテンフリー米粉パンにおいてはデンプンの老化が急速に進むため、糊化状態の維持が課題である。そこでグルテンフリー米粉パンの製パン性向上を目的として、熱応答性キシログルカンおよびキサンタンガム粉末添加が製パン性に及ぼす影響について検討した。
【方法】米粉、砂糖、食塩、ドライイースト、オリーブオイルを基本材料として米粉パンを作製し、これをコントロールとした。これに熱応答性キシログルカン(MTG)およびキサンタンガム粉末(XT)を0.25%、0.5%、0.75%、1.0%の割合で添加してパンを作成した。材料を混合したのち37℃、RH90%で50分間発酵させ、200℃で14分間焼成した。焼成後25℃で2時間放冷後、比容積、色度、水分含量、破断特性を測定して製パン性を評価した。また生地の特性として動的粘弾性の温度依存性を求め、製パン性に及ぼす影響を検討した。
【結果】グルテンフリー米粉パンにMTGおよびXTを添加すると、生地の貯蔵弾性率は増加傾向がみられたが、比容積は有意に低下した。またいずれの添加物の場合も0.75%以上の添加で水分含量は有意に増加し、破断応力、破断エネルギーは有意に低下したことから、コントロールに比べ軟らかくしなやかなパンができたと評価された。色度においては、XT添加ではa*値(赤度)、b*値(黄度)が増加傾向を示したが、MTG添加では低下傾向を示したことから、MTGを添加するとパンの焼き色が生じにくくなり、米粉の白色度が保持されることが示された。
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