日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2E-a5
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口頭発表
半乾燥果物とその調理品の抗酸化能の評価
*久松 裕子長尾 慶子小林(粟津原) 理恵
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抄録

【目的】我々は、植物性食品の効率的な摂取方法として、半乾燥状態に着目し研究を行っている。今回は、生食することが多く、ビタミン、ミネラル及び食物繊維の重要な給源である果物を半乾燥させて、機能性の評価として抗酸化能測定を行った。また、果物をヨーグルトに加えた調理品を想定し、両者の組み合わせによる抗酸化能の変化を追跡した。
 【方法】試料として国産のキウイを取り上げた。先ず生キウイをソース状にし、基準の生試料とした。次に、半乾燥試料として、天日ならびに恒温庫にて生重量の50%まで乾燥後にソース状にした試料を得た。予備実験で、キウイの芯と平行に切った縦型形状よりも、芯に対して垂直に切る横型形状の方が、乾燥時間が短くて済んだことから、本実験のキウイは芯に対して垂直に4等分し乾燥させた。さらに調理品として、市販の無糖ヨーグルトに、生及び半乾燥(天日、ならびに恒温庫)キウイソースをそれぞれ20wt%添加した、ヨーグルト混合3試料を調製した。上記の各試料は、凍結乾燥後粉砕し、70vol%エタノールで抽出させて、抗酸化能測定に供した。抗酸化能は、ケミルミネッセンス法により、活性酸素ペルオキシラジカル捕捉活性としてIC50値を算出し、さらにトロロックス当量に換算、評価した。
【結果】抗酸化能では、生のキウイに対して天日乾燥、ならびに恒温庫乾燥のいずれにも有意差は無く、同等に高い抗酸化能を維持できることが示唆された。また、調理品のヨーグルト混合3試料においても、生のキウイを添加した試料と半乾燥キウイ混合各ヨーグルト試料間に有意差がみられなかった。これらの結果から、果物類における半乾燥状態は、生同様に高い抗酸化能を維持できることが示唆された。

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