抄録
【目的】希少糖D-プシコース(以下Psi)は、エネルギー値がほぼゼロのノンカロリー単糖で、保水性が高く、メイラード反応が進みやすい特徴をもつことから、食品素材として特にベーカリー食品への利用が期待されている。本研究では、近年ヘルシー志向で注目され、従来の揚げドーナツよりもエネルギーが低い焼きドーナツにPsiが適しているかをショ糖とPsiおよびD-フルクトース(以下Fru)との配合割合を換えて検討した。さらに、牛乳を豆乳に置換した場合の影響についても検討した。
【方法】糖配合は、ショ糖のみをコントロール(C)とし、ショ糖に換えてPsiおよびFruを20%(P20・F20)、40%(P40・F40)それぞれ置換した。また、牛乳と豆乳の2種類を用いて合計10種類の焼きドーナツを作製し、物性測定と色差測定を行った。
【結果】SB、SCともに焼き色は、C、P10、P20、P30の順に濃くなった。高さは、SBはC、P10、P20、P30の順に、SCではC、P10、P30、P20、の順に高くなった。破断強度測定から、SBはPsiの割合が多いほど破断変形は有意に高くなり、破断応力は有意に低く、破断歪率は有意に高くなった。SBは、Psiの割合が多いほど脆くて軟らかい特徴がSCよりも顕
本研究の結果より、ショ糖の40%をPsiに置き換えることで、やわらかく焼き色の好ましい焼きドーナツに適していることが示唆された。