日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2D-a7
会議情報

口頭発表
家庭における油を用いた調理の状況
*久保 加織安藤 真美伊藤 知子今儀 潤江口 智美小寺 真実高村 仁知露口 小百合中平 真由巳林 淑美原 知子水野 千恵明神 千穂村上 恵和田 球子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】日本調理科学会近畿支部揚げる・炒める分科会では、これまでに、家庭における油を用いた調理に関して質問紙調査を実施し、多様化、健康志向、簡便化が進みつつあることを報告するとともに、シャロウフライの適切な調理条件について検討してきた。本研究は、2015年に実施した調査結果から、家庭調理の変容を明らかにすることを目的とした。 【方法】調査は、2015年5〜11月、家庭で主に調理を担当する者を対象に、質問紙による自己記入式留置法により実施した。有効回答率は62.4%(1,218票)であった。回答者の29.6%は20歳前後の学生が占め、有職者は46.8%であった。 【結果】炒め調理や揚げ調理を週1回以上行っている人はそれぞれ、90%以上、40%以上おり、揚げ物を好きと回答した人は約80%、週1回程度以上揚げ物を食べる人は約75%であった。油を購入する際の選択理由は、「価格」、「種類」、「健康によいか」の順で、いずれも以前の調査より多くなっていた。シャロウフライは71.4%の人が経験しており、「油の処理が簡単」、「経済的」、「環境にやさしい」、「健康的」というイメージを持ち、半数以上は今後もすると回答した。揚げ油を1回使用で廃棄する人は23.3%で以前の調査より多く、流しに捨てる人も多くなっていた。揚げ調理について習ったことがない人は25.1%で、情報源はテレビやインターネットが多かった。今回の調査結果から、調理準備から調理後の後片づけまでを含めた情報が一般に入手しにくい状況が推察された。今後、これらの適切な情報を如何に発信するかについて検討する必要があると考えられる。
著者関連情報
© 2016 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top