日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-28
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ポスター発表
微細米粉を用いたシフォンケーキの物性
徳永 みな子*大喜多 祥子*中谷 梢野口 聡子樋上 純子八木 千鶴山本 悦子米田 泰子
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抄録
【目的】シフォンケーキはしっとり、ふんわりとした軟らかさが特徴のケーキである。卵が多く、粉が少ない配合のため軽く仕上がる。しっかり泡立てた卵白(メレンゲ)を利用するので、小麦粉を米粉に置換しても同様の食感のものを容易につくることができると推察された。微細米粉と小麦粉を用いたものを作製し、シフォンケーキの物性と製菓特性に関する検討を行った。

【方法】卵、グラニュー糖、サラダ油、水を共通材料とし、小麦粉はバイオレット(日清製粉製)、微細米粉はあさひの夢(湿式気流粉砕・波里製)を用いた。生地調製後、紙製トールカップを用い、180℃のガスオーブンで15分間焼成、室温で30分間放冷した。生地の密度、製品の質量、高さ、色を測定し、圧縮試験を行った。さらに、経時変化観察のため、焼成2日後、4日後の高さの測定と圧縮試験も行った。

【結果】米粉製品(以下米粉)は小麦粉製品(以下小麦粉)に比べて製品の質量、焼成当日の高さでは差がなく、色ではL*値は差がないが、a*値は低く、b*値は高かった。生地の高さと製品の高さより求めた見かけの膨化率では、米粉が小さかった。また、圧縮試験では米粉は焼成当日と2日後の最大荷重、最大応力、総エネルギーに小麦粉との差はなかった。2日後、4日後では、米粉の高さが有意に低くなった。4日後では、米粉の最大荷重と総エネルギーは小麦粉に比べて有意に大きかった。以上の結果より、米粉を用いたシフォンケーキでは、同じ配合割合・調製方法によって、小麦粉の場合とほぼ同等の外観とふんわりとした軟らかさのものを作製できるが、時間の経過とともに高さが低下し、硬くなることが示唆された。
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