日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-40
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ポスター発表
調理における段取り学習プログラムの開発
磯部 由香*大山 航*野田 真由平島 円
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抄録

【目的】近年、家庭での調理の省力化、外食、中食の利用が増加し、調理の機会が減少している。家庭科の調理実習は重要な調理経験の場であるが、調理実習の回数が減少しているため、技能の習得に終わっているという現状がある。家庭での調理実践を推進するためには、調理を効率よく行う力も必要である。そこで、限られた時間の中で効率よく作業を行う「段取り力」に着目をし、段取りについての学習プログラムを考案することにした。
【方法】①段取り学習プログラムの作成:中・高の家庭科の教科書に掲載されている料理の調理操作を分析し、「段取り」を評価するのに適切な組み合わせを検討した。次に、情報教育で実践された「モデル化とシミュレーション」の学習教材を参考に、調理における段取り学習プログラムを作成した。②プログラムの有効性の検証:調理する習慣がなく、調理に苦手意識を持つ学生を対象とし、学習プログラムの受講の有無により、調理行動および意識にどのような差がでるかについて観察した。評価は調理時間、撮影動画による調理方法と動線の観察により行った。
【結果】①教科書に記載の料理から3品を選び、同時に調理することで調理の効率がよくなる組み合わせについて検討した結果、5献立が完成した。「段取り学習プログラム」により各献立の調理作業を細分化し、時間を考えながら調理の流れを考えさせることにより、受講者は段取りをより意識しながら調理するとわかった。②学習プログラムの受講の有無により、調理時間、同時作業時間、動線に差が見られた。対象者へのヒアリングから、プログラムを受講することにより、調理への苦手意識を軽減する効果が見られた。

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