主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: お茶の水女子大学
開催日: 2017/08/31 - 2017/09/01
【目的】電子レンジ対応のトレーに魚介類と味付けタレを入れ、そのままレンジで温めるだけで料理が完成し、蓋を外すだけで食卓に提供することができる簡便なものが市販されている。これらは現在、黒の他に6色のトレーが使用されており、皿としても食卓にそのまま出しても良いように考案された物である。そこで、皿によく見られるような青色の絵柄を付けたトレーを作成し、加熱前と加熱後についてアンケート調査を行い、トレーの色や魚介の種類との相性を比較検討した。
【方法】トレー:市販の7種類のトレーの他に、葉と花を組み合わせた絵柄トレーを作成した。絵柄の色:最も濃い部分がJISで定められたDIC色見本の184番に近似するように調整した。なお、対照として白のトレーを加え9種類のトレーについて検討した。食材:海老、鮭およびあさりを対象とした。評価方法:購入時を想定した加熱前の状態では「どの程度購入意欲を感じたか」、さらに電子レンジで加熱後、蓋を外し、喫食時の状態においては「どの程度食欲を感じたか」をそれぞれ評点法で評価した。
【結果】 9種類のトレーを比較した結果、加熱前では、絵柄トレーの評価が高く、白および黒の順であった。絵柄のトレーは珍しいという点の他に、下地に見慣れている白が使用されているために清潔感があり好まれたことも考えられる。加熱後はトレーのまま喫食することから、お皿のイメージが強い、白、黒のトレーの評価が高かった。あさり、および鮭では喫食時において、食品自体の彩度が低いため、料理を引き立てる絵柄のトレーの評価が高かった。トレーの色の全体を見ると、購入時には食材の温度を低く見せるトレーがよく、喫食時には食材を温かそうに見せる色が食欲を増進させる傾向が見られた。