日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-13
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ポスター発表
魚肉刺身の評価に影響をおよぼす要因について
久木野 睦子*柿山 章江
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キーワード: 刺身, 官能評価, しょう油
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抄録
【目的】演者は現在、脱血処理が魚肉の品質におよぼす影響を検討中で、本研究は、今後、脱血魚肉刺身の官能評価を行う際に留意すべき点を知ることを目的として行った。脱血処理は食肉では一般的であるが、魚においては一部の高級魚でしか行われておらず、赤身魚においては、研究が進められているものの、現在は殆ど行われていない。
【方法】刺身の評価において血なまぐさみがどのように影響しているか知るために、本学学生に好きな魚、嫌いな魚とその理由を質問した。また、魚のなまぐさみを抑えると考えられているしょう油を用いることで刺身の評価がどのように影響されるのか、天然マグロの赤身を用いて官能評価を行った。さらに、九州地方ではよく知られている糖分が添加されている刺身専用のしょう油について、家庭での使用状況を質問した。
【結果】学生が好きな魚として挙げたのはサーモン(53%)、タイ(25%)などの白身魚で、嫌いな魚として最も多かったのがキビナゴ(17%)で、その理由はなまぐさい、血なまぐさいであった。マグロの赤身は好きな魚としても(14%)、嫌いな魚としても(11%)挙げられ、好きな理由はうま味であったが、嫌いな理由は血なまぐさいであった。天然マグロ赤身を試料として、しょう油を用いないで食べた場合と、糖分を添加した刺身しょう油、添加していない刺身しょう油を用いて比較したところ、しょう油を用いることで、血なまぐさみを感じにくくなったが、糖分の添加の有無の影響はみられなかった。刺身用のしょう油については、殆どの学生が知っており、半数以上の家庭で所有されていた。
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