日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-4
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ポスター発表
有色ソルガム粉の製粉方法の違いが基礎特性と製パン性に及ぼす影響
*高崎 禎子吉川 祐未
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抄録

【目的】ソルガムは,耕作条件の悪い土地でも収穫でき,バイオエタノール燃料となる他,その子実の有効利用は食糧問題の解決につながる注目すべき穀類で,グルテンフリーということからも小麦代替食品として期待されている。しかし,グルテンを含まないためにパン等の膨化食品の製造には多くの問題がある。そこで,本研究では,有色ソルガム粉の製粉方法の違いによる基礎特性およびグルテンフリーソルガム粉パンの製パン性について検討した。
【方法】有色ソルガム(ミニソルゴー,長野市産)は,搗精後,気流粉砕法と胴搗粉砕法を用いて様々な条件で粉体化し,粒度分布を音波ふるい器で測定した。粉体化したものを用いて10%ゲルの調製し,テクスチャー特性および損傷澱粉量を測定した。異なる製粉方法で調製した粒度分布が同程度のソルガム粉2種を用いて製パン(ソルガム粉300,水291,砂糖12,食塩3,イースト3)を行った。また,粉の20%をα化ソルガムパフ,α化ソルガムゲル,α化米粉,加工タピオカ澱粉で置換し製パンを行い,パンの比容積及び破断特性,テクスチャー特性を評価した。
【結果】同程度の搗精条件下では,気流粉砕法の方が小粒子径粉の含有割合が高くなる傾向であった。また,ゲル化させたソルガム粉の硬さは,製粉方法によらず小粒子径粉の含有割合が高くなるほど硬くなった。澱粉損傷度は,気流粉砕法の方が胴搗粉砕法よりも今回の条件では2倍程度高い値を示した。これは,胴搗粉砕法では冷却しながら製粉を行ったため熱による澱粉の損傷が抑えられたことによると推定される。パンの比容積は,製粉方法によらずα化ソルガムパフ置換パンで高い値を示した。粉の一部をα化させることで製パン性の改善がみられた。

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