主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 平成30年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: 武庫川女子大学
開催日: 2018/08/30 - 2018/08/31
【目的】ジャガイモは指定野菜の一つであり、その代表的な料理にポテトサラダがある。ジャガイモの主成分は澱粉であるが、その中には血糖値の上昇抑制作用などを有するレジスタントスターチ(RS)が含まれている。RS生成には温度が大きく関与しているが、調味料添加などの調理過程におけるRS量変化に関する知見は乏しい。そこで本研究では、ポテトサラダの調理方法を基に、マヨネーズおよびその構成調味料の添加がジャガイモ中のRS生成に与える影響を検討した。
【方法】基礎知見を得るために、ジャガイモ由来の精製澱粉を用いると共に、温度処理前に水または調味料(マヨネーズ・穀物酢・サラダ油・レシチン)を添加した。その後、無処理(1)、100℃20 分加熱(2)、100℃20 分加熱後6℃24 時間(3)、100℃20 分加熱後6℃48 時間(4)、120℃20 分加熱(5)、120℃20 分加熱後6℃24 時間(6)、120℃20 分加熱後6℃48 時間(7)の条件で温度処理し、凍結乾燥したものを試料とした。試料のRS量を酵素処理法により測定した。また、RS量が変化した処理条件の試料において、食後の血糖値上昇度を示す予測グリセミック・インデックス(eGI値)の測定を行った。また、温度処理前後添加の検討をジャガイモパウダーを用いて行った。
【結果】水添加と比較したRS量の変動として、マヨネーズ添加では48時間冷却(4、7)において、サラダ油とレシチン添加では全ての温度処理において、有意に増加した。また、eGI値とRS値間には弱い負の相関関係があることが示唆された。ジャガイモパウダーについては現在検討中である。