日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1D-4
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口頭発表
キャベツ中のポリフェノールとミネラル量に与える調理操作の影響
*秋山 聡子池田 昌代鈴野 弘子
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抄録
【目的】野菜にはポリフェノールやミネラルが多く含まれており、その生理的機能が近年明らかにされている。これらの成分は喫食者の疾病などの状況によっても望まれる摂取量が異なる。また、野菜を摂取するためには非加熱や加熱調理を行うが、これによりポリフェノールやミネラルは変化する。そのため、異なる調理操作後の野菜に含まれるポリフェノールやミネラル量の把握は重要である。そこで本研究では、キャベツに異なる調理操作を施し、総ポリフェノールおよび各種ミネラルの残存率の違いを明らかにすることを目的とした。

【方法】キャベツは茨城県稲敷郡阿見町産の「月光」を使用した。料理は「せん切りの生」と「3cm四方の炒め」を設定した。「せん切りの生」は、切栽後に浸漬する水量を5倍または10倍とし、時間を1分、3分または5分とした。「3cm四方の加熱」は、切栽後に加熱する時間を3分間とし、加熱方法として炒め3分、炒め1分とゆで2分、炒め2分とゆで1分、ゆで3分を設定した。調理後のキャベツに含まれるクロロゲン酸総量をFolin-Denis法にて測定し、総ポリフェノール量とした。また、ミネラルは、原子吸光光度法にてカリウム量を、モリブデンブルー吸光光度法にてリン量を測定した。残存率は切栽のみのキャベツに含まれる量を100%とし算出した。
【結果】「せん切りの生」の総ポリフェノールの残存率は、有意な差が認められなかった。カリウムの残存率は、10倍の5分は5倍の1分に比べ低かった。リンの残存率は、水量に関わらず5分浸漬群が低かった。「3cm四方の加熱」の総ポリフェノールとカリウムの残存率は、炒め3分が他群に比べ高く、ゆで3分は他群に比べ低かった。リンの残存率は、ゆで3分が他群に比べ低かった。
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