日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-34
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ポスター発表
スチーム加熱を利用したベーグルの品質特性
*松森 慎悟阿久澤 さゆり
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抄録
【目的】ベーグルは、他のパンの製法と異なり、二次発酵後に「茹でる」という操作を行う。この操作により、あらかじめ湯を指定の温度に保持する必要があるため、温度管理が難しく、ベーグルの品質に影響を及ぼす。さらに、ゆでる操作があるため大量に均一の品質をもつベーグルを調整するのは難しいと言われている。そこで本研究では、温度管理が容易で大量調理ができるスチームコンベクションオーブンを使用してベーグルを作製し、それらの品質特性を比較検討した結果を報告する。
【方法】強力粉、インスタントドライイースト、砂糖、食塩、水を使用して作製したベーグルを試料とした。通常の「茹でる」操作を行ったコントロールベーグル(茹で時間1分)に対して、茹でずにスチーム加熱(1分及び3分)を行ったベーグルを作製し、比較検討した。測定項目は、形状として重量、体積、比容積、外径及び高さを測定し、水分含量、クラストの色調測定を行った。また、クラスト及びクラムの破断測定を行い、さらに順位法にて分析型(つや、硬さ、甘味)及び嗜好型(硬さ、香り、総合評価)の官能評価を行った。
【結果】形状は、体積及び外径において、スチーム加熱ベーグルの方が有意に低値を示した。高さは、1分スチーム加熱ベーグルが最も高かった。クラストの色調や水分含量には有意な差はなかった。破断測定では、クラスト及びクラムの硬さ共に、3分スチーム加熱ベーグルが最も高値を示した。分析型官能評価は、3分スチーム加熱ベーグルが最も硬いと評価され、嗜好型官能評価は、全ての項目で有意な差が得られなかった。
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© 2018 日本調理科学会
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