日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-13
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ポスター発表
クッキーの物性に及ぼす大豆粉の影響
*辻 美智子浅野 有里加亀井 はるか源馬 志帆理
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キーワード: 大豆粉, クッキー, 物性
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抄録

【目的】クッキーは小麦粉を主原料とした焼き菓子である。クッキーの食感表現として,硬い,軟らかいの他に,サクサク,ザクザクのようなオノマトペを用いた感性的な表現が知られている。本研究ではクッキーの主材料である小麦粉を大豆粉に置換させ,その調理特性および「サクサク感」を含めた物性について明らかにすることを目的とした。

【方法】クッキーの基本材料は小麦粉,グラニュー糖,ショートニング,卵水とし,生地は厚さ4mm,直径38mm(円型)に成形し,温度170℃で12分間焼成してクッキーを調製した。小麦粉100%で調製したクッキーをコントロールとし,小麦粉の25%,50%,75%,100%を大豆粉に置換し,クッキーの調理特性を評価した。評価項目は外観,色度,spread factor,重量減少率とし,物性についてはクリープメーターを用いて初期弾性率を算出し,応力-ひずみ曲線の微分波形から「サクサク感」を解析した。

【結果および考察】クッキーの色度は,大豆粉の置換割合の増加とともにコントロールとの色差が大きくなり,黄色みが強くなった。Spread factorはコントロールが最も小さく,大豆粉置換割合が多くなるほど増大した。破断ひずみは大豆粉の置換割合が増えるほど増加したが,初期弾性率においては減少が認められた。応力-ひずみ曲線から得られる破断現象を解析した結果,コントロールクッキーのサクサク感は粗いザクザクとした食感が含まれているのに対して,大豆粉置換割合が多くなるほど,細かいサクサクとした食感に変化する傾向がみられた。クッキー材料の小麦粉を大豆粉に置換することにより,クッキーは軟らかく,サクサクとした軽い食感を与えることが示唆された。

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