主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2019年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 中村学園大学
開催日: 2019/08/26 - 2019/08/27
【目的】炊飯は水を吸わせた米に熱を加えることにより,米の主成分であるデンプンを糊化させることで食事に適した状態にすることである。また,炊飯後の温度条件により米飯が硬化(老化)することもよく知られた事実である。これまでメタノール中で脱水しつつ再糊化させずに米飯を粉砕することで,炊飯米の評価をRVAによりできる可能性について報告したが,今回,米飯老化についてデータ蓄積を行ったので報告する。
【方法】加水量の異なる各種米飯約30gを200mL容トールビーカーに採取し,パラフィルムで密閉したものを異なる温度で所定期間保管した。保管後の米飯試料に約200mLのメタノールを加え,即座にホモジナイズした。粉砕物はろ過を行い,その際同時にアセトンで十分に洗浄した。風乾した後,次の条件にてRVA分析した。パドル回転数は160rpm で1分まで50℃を保ち4分間で93℃まで昇温し7分間保った。4分間で50℃まで降温し4分間保った。また,同様の試料についてテンシプレッサーによるテクスチャー分析を行った。
【結果および考察】粉砕生米粉のRVA分析ではデンプン糊化による最高粘度のピークが得られるが,炊飯によりこのピークは見られなくなる。炊飯後の試料では最高粘度ピークは非常にわずかなものしか観察できなかった。低温の保管および低加水量炊飯では米飯の老化が進むが,これに伴いRVA分析での粘度ピークの再出現が観察された。
この研究の一部は内閣府戦略的イノベーションプログラムによって行われました。