日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2D-10
会議情報

口頭発表
福井の伝統野菜の認知度と「越前白茎ごぼう」の抗酸化性について
*佐藤 真実青竹 未峰齋藤 日菜鈴木 唯
著者情報
キーワード: 福井県, 伝統野菜, 抗酸化
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】全国各地の伝統野菜は,需要と供給のバランスによる価格の減少,栽培条件の悪化,食生活の変化などにより継承が危ぶまれている。福井県の伝統野菜は,地域に根ざした作物である3つの条件を満たす伝統野菜「福井百歳やさい」が23種類認定されている。本研究では,これらの伝統野菜の認知と「越前白茎ごぼう」の調理法の違いによる抗酸化性の評価を行った。

【方法】平成30年7月に福井県内の大学生261名を対象としてアンケート調査を実施した。内容は,伝統野菜の認知度,喫食率,学習機会についてである。また「越前白茎ごぼう」は,生と異なる調理法(ゆでる,油で炒める,電子レンジ加熱)で加熱し,調理直後(0日)と1カ月保存(30日)について,総ポリフェノール量(フォーリン・チオカルト法),抗酸化性(DPPHラジカル消去活性)の測定を実施した。

【結果および考察】23種類の伝統野菜を一つも知らない人は30.3%であった。認知度と喫食率が高い伝統野菜は「奥越さといも」(42.9 %,32.6%),「三年子らっきょ」(21.7%,10.8%)「吉川なす」(28.4%,9.6%),「勝山みずな」(17.2%,8.8%)などがあげられた。学習機会については,「小学校」(41.9%),「中学校」(21.5%)が多く,伝統野菜を知るきっかけとしては,教育機関が3割〜5割となった。9割以上の学生は「食べてみたい」と回答したが,「伝統野菜に関する情報がない」ことから食べてみたいと思わない人もいた。越前白茎ごぼうは「ゆでる」が最も好まれた。「電子レンジ加熱」は,苦み,えぐみ,青臭さが強く,好まれないが,総ポリフェノール量,DPPHラジカル消去活性はともに高かった。

著者関連情報
© 2019 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top