主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】近年、北海道では地域の特徴を生かした米の生産が拡大し、北海道の水稲作付面積は令和2年産 10万4,700ha、主食用作付面積は9万5,300haが見込まれている。北海道産米の道内食率は目標とする85%に対して令和2年度88%(前年度86%)であり、北海道産米のさまざまな用途ならびに消費が期待されている。一方、北海道白糠町のNPO法人Hは、北海道産米や米麹を用いた甘酒を製造して地域活性化のために産学連携で活動している。本研究では、北海道産米の新たな利用方法を明らかにすることを目的として、北海道産米ならびに米麹を用いた甘酒を調製し、その調理特性を検討した。
【方法】甘酒は、米麹(北海道石狩産生麹)200gに対して北海道産米150g(石狩産ななつぼし)、甘酒メーカー(株アイテック製KOJI BIJIN MP101)を用いて調製した。甘酒の粘度はSV型粘度計(音叉型振動式)によって測定した。色調は分光色彩計によってL*値、a*値、b*値を測定し、彩度(C*値)を算出した。官能検査は甘酒プレーンに対して、果汁(北海道産ハスカップ・リンゴ)添加を比較として用い、F大学教職員を対象に4項目(色、香り、味、総合評価)について、順位法で行った。
【結果】甘酒の粘度は、11.3〜13.2mPa.s(10℃)でトマトジュースの粘度とほぼ同等であった。色調はL*値57.34、b*値4.41、彩度C*値4.52であった。官能評価では、甘酒ハスカップ添加が色(** p<0.01)、味(**p<0.01)、総合評価(**p<0.01)において好まれていた。今後も北海道産米ならびに米麹を用いた甘酒の利用可能性を検討したい。