日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-66
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ポスター発表
三重県志摩市における魚介類の喫食状況
*磯部 由香平島 円生川 美江
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抄録

【目的】三重県の東南部の志摩市では,古くから漁業が盛んに行われ,魚介類を使った郷土料理が数多くある。本研究では,市民の魚介類および魚介類の郷土料理の摂取状況を明らかにするためにアンケート調査を実施した。

【方法】平成30年6月〜7月,志摩市在住の市民を対象に,自記式質問紙によるアンケート調査を行った。調査内容は,日常の調理頻度,5日間に食べた魚介類料理の料理名並びに使用した魚介類の種類,郷土料理の喫食経験と家庭における調理の状況等についてである。なお,差の検定にはカイ二乗検定またはFisherの正確確率検定を用い,有意水準は5%以下とした。

【結果】アンケート回収数は1100,有効回答数1063(有効回答率96.6%)であった。年代別の内訳は,20歳代15.8%,30歳代15.7%,40歳代23.0%,50歳代20.1%,60歳代14.7%,70歳代以上10.6%であった。魚介類を使った料理の1日あたりの喫食回数の平均値は,20歳代0.5回,70歳代1.5回であった。5日間あたりの喫食回数を,朝食,昼食,夕食に分けてみると,すべての食事において,20歳代では0回が多く,70歳代以上では5回が多かった(p<0.001)。魚介類料理の喫食回数は,年代が上がるほど多かった。漁業の盛んな志摩市においても,若い世代では魚離れが進んでいることが推察される。魚種別で分析すると、最もよく食べられていたのは,かつおであった。全国的に上位のさけ,まぐろ,ぶりに加え,あじ、さば,ちりめんじゃこなど,三重県で漁獲されている魚が多くあがった。80%以上の人は,複数の魚介類を主に使った郷土料理に対して喫食経験があったが,家庭で調理するかどうかは,料理によって差があった。

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