日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1A-3
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口頭発表
フードモデルによる和食の栄養的特性の検討
*清水 達也田中 柚菜林田 日菜子吉江 明広松下 実代竹中 徹男小西 雄大伏木 亨山崎 英恵
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キーワード: 和食, 健康, フードモデル
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抄録

目的和食は健康的な食事として国内外から注目されている。しかし和食がどのように健康に寄与するのか具体的に示した例は多くない。例えば和食に使用される食品の個々の成分が身体に与える影響を検討した報告は数多いが、1回分の食事全体を対象に検討した例は少ない。本研究ではフードモデルを用い、食事を全体で捉え、和食のもつ栄養学的な特性について検討することとした。

方法19〜66歳の健康な男女167名を被験者とし、フードモデルシステム(株式会社いわさき)を用いて、夕食時に近い時間帯(16:00〜18:30)に実験を実施した。フードモデルは和食文化国民会議(農林水産省)が示す定義を用い、和食、和食以外の2群に分けた。食事の量や品数は制限せず、その時の空腹度に合わせ、「食べて満足できる」と思う食事を、和食と和食以外からそれぞれ1回ずつビュッフェ形式で自由に選択してもらった。和食を選ぶ際には、主食に必ずご飯を含めることとした。食育SATシステムにより総エネルギー量、各種栄養素量を測定した。

結果・考察総エネルギー量、総脂質、飽和脂肪酸は和食が和食以外と比較して有意に低い値を示した(p<0.01)。n-3系多価不飽和脂肪酸は和食が和食以外と比較して有意に高い値を示した(p<0.01)。これは、和食に魚介類を用いた料理が多いことが影響していると推察された。塩分量は2群間に有意な差は認められなかった。

結論食事内容や量の制限がない状態で食事を選択した場合でも、総エネルギー量、総脂質が低く抑えられるという和食の特性を示すことができた。

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